鶴瀬腎クリニック

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腹膜透析腹膜透析

腹膜透析のしくみ

お腹の中に透析液を一定時間入れておくと、腹膜を介して血液中の余分な水分や老廃物がお腹の中の透析液側に移動します。その老廃物や水分を含んだ透析液を身体の外に出すことで血液をきれいにします。

拡散の原理

セロファン膜にインクを入れて水に浸せば、インクの色が外に出て、水は逆にインク側に入り同じ濃さになります。腹膜透析もこれと同じで、液をお腹に入れておくと、体の老廃物が腹膜を介して透析液側に出てきます。また同時に体に不足しているものは、透析液側から体内に入ります。


浸透圧の原理

透析液には浸透圧を高めるため、ブドウ糖が入っています。そのため、透析液と体液との間に浸透圧の差ができて、体の中の水分が透析液側に引き出されます。

腹膜透析の特徴

  • 自宅や職場などで本人や介助者が透析液の交換を行います。通院は月に1~2回です。
  • 寝ている間に機械を使って自動的に行う方法(APD)と、日中に3~4回行う(1回の治療にかかる時間は約30分程度)方法(CAPD)があります。
  • 毎日行う治療法で血液循環の急激な変化がないので、透析導入後も残っている腎機能をより長く保つことができ、尿が出なくなる時期を遅らせることができるといわれています。(個人差はあります)
  • 腹部にカテーテルという細いチューブを埋め込む手術をします。

腹膜透析(PD)には2種類あります

CAPD

日中3~4回透析液を交換して治療します。交換は、日常生活の中で、自宅や職場、学校などで行えます。


APD

寝ている間に透析液の交換を自動的に行います。日中の自由時間を多く確保するために開発された治療法で、多くの方が利用しています。

血液透析との違い


血液透析(HD) 腹膜透析(PD)
血液を体外に取り出し、機械で血液を浄化 お腹の中にためた透析液を出し入れすることで血液浄化
APD CAPD
治療場所 透析医療機関 自宅など 自宅・職場・学校
治療する人 医療スタッフ 本人や家族
治療にかかる時間 1回4時間程度 就寝中 8~10時間 1回約30分 1日4回
手術 シャントを作る手術 カテーテルを埋め込む手術
尿量(残存腎機能) 早くでなくなりやすい 長く保たれやすい
心臓への負担 大きい 小さい
食事制限 塩/水、カリウム、リン、タンパク質 塩/水、リン
継続可能期間 半永久的 約5~10年

当院の取り組み

当院は専門医師・看護師・臨床工学技士により患者様のサポートをしております。なお、腹膜透析の導入患者様が透析導入の2割~3割となっています。

最初にPDから始めることをPDファーストといいます。腹膜透析のメリットは血液透析に比べると長期間尿が出る事です。そこで最初に腹膜透析からはじめ、できるだけ尿量を保ちます。個人差はありますが、PDは透析導入後も残っている腎機能をより長く保つことができるので、尿が出なくなる時期を遅らせることができます。


  • 体に優しい方法なので、高齢者の方にも適しています。
  • 腎臓の機能が残っている間は、食事管理も比較的緩やかです。
  • 腹膜透析は毎日緩やかに透析を行う体に優しい治療です。皆さん腹膜透析から始めてみませんか!
1.患者様が選ぶ治療

患者様に対して3つの腎代換療法(血液透析、腹膜透析、腎臓移植)に関する医療情報の提供をし、患者様の生活を考え患者様・ご家族に治療が選べるようサポートしたいと考えています。

2.計画導入

在宅医療としての腹膜透析の有用性を生かすために、導入前から患者様教育を行い、計画的に導入することを推奨しています。

SMAP(段階的導入法)

カテーテル留置術によって留置したカテーテルを、そのまま皮下に埋没し、後にカテーテル出口部を作製する


利点1:カテーテル留置に伴う合併症が少ない
  • 高齢者
  • 糖尿病患者
  • ステロイドや免疫抑制剤を服用している症例
  • MRSA保菌者

利点2:短期入院でのPD導入が可能である
  • 長期入院ができない症例
  • 血液透析からの変更
  • 無床診療所での導入
  • 在院日数を短縮したい病院での導入
3.医療チームによる患者様への指導

患者様やご家族がPD実施者として、自己管理に必要な技術・知識を習得する為の教育的支援を行います。更に生活・ 環境調整、精神的サポートにより家庭・社会生活において身体的・心理・社会的に安定した状態でPD療法を実践・継続でき、 患者様および家族のQOLが維持・向上できるよう援助させていただきます。患者様のペースに合わせた指導方法で退院までフォローさせて頂きます。

当院におけるPD診療体制

4.予約制の専門外来

当院では専門医師・看護師が予約制で行っております。埼玉県内多方面から通院されている患者様もいらっしゃいます。

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