在宅血液透析とは自分のライフスタイルに合わせ自分の好きな時間帯に自宅で血液透析をおこなえる治療法です。しかし、在宅血液透析を開始するまでに、幾つかのハードルを越えなければなりません。そこで、在宅血液透析の開始基準、様々なよい所や問題点、トレーニング内容を説明します。
在宅血液透析導入基準
- 透析患者様本人が希望し、介助者と家族の同意が得られること。
- 重い(在宅透析に影響する)合併症がないこと。
- 自己管理ができること。
- 自己穿刺ができること。
- 医師が在宅透析実施について承認していること。
- 家族が在宅透析について承認していること。
- 家が在宅透析を実施する上(装置設置・材料保管場所)で問題がないこと。
- 自己責任と社会復帰への意欲があること。
在宅血液透析を開始する前に、これらの条件があてはまるかを事前に確認しなければなりません。条件をクリアできれば在宅血液透析を開始する準備を行っていきます。
在宅血液透析の利点と問題点
利点
- 時間的制約が少ない
- よりよい生命予後が得られる
- 透析に伴う感染のリスクが少ない
- 透析合併症が少ない
- 長期透析に伴う合併症を予防、コントロールできる
問題点
- 介助者を必要とする
- 自己穿刺の問題
- 準備や片付けに時間をとられる
- 金銭的な問題(初期費用、水道代、電気代)
利点だけではなく問題点もある事を今一度ご確認下さい。
トレーニング内容
在宅血液透析指導計画マニュアル
- プライミング指導(回路組立、清潔操作、接続確認、クランプ確認等)
- 透析液立ち上げ(A.B液接続、ガスパージ方法)
- 穿刺前点検
- 自己穿刺(消毒方法、ダルニードルのボタンホール穿刺、鋭利針での穿刺【緊急時】)
- HD開始後のチェック
- 1h毎チェック (BP測定、機械チェック)
- 終了操作、抜針、後片付け(クランプ確認、抜液等)
- 洗浄(薬液と連続の確認、薬液量の確認)
在宅血液透析指導計画マニュアル(トラブルシューティング編)
- トイレ離脱
- V側針先凝血塊の除去方法
- 再開始、再プライミング、再穿刺方法
その他の透析中の起こる臨床症状、機械アラームに対する対処方法(急速補液方法、針先調節等)